薬剤師 澤田さんのコラム
薬局実務実習について
診療報酬改定について
保険診療の際、医療サービスに対し、公的医療保険から病院・診療所など医療機関や調剤を行った薬局に支払われる報酬。検査・手術・投薬などの診療行為や医薬品ごとに決まっている公定価格から算出して支払われる出来高払い方式、一定範囲の診療行為の報酬を定額で支払う包括払い報酬などがある。出来高払い方式の公定価格は点数で表示され、原則として2年に一度改定される。(weblio辞書より)
日本は国民皆保険であり、公的医療保険制度があるため、病気やけがなどの際に保険証を提示すれば、必要な医療行為(診察、治療、処方など)を受けることができます。自己負担分(1割~3割)は患者さんが、残りは加入している医療保険者が、医療機関に支払います。その必要な医療行為一つ一つに公定価格(点数)が細かく決められています。医療行為ごとの点数は「1点=10円」で、全国どこでも変わりありません。例えば病院での初診料が282点だとすると、2820円と定められています。
診療報酬の点数は通常2年に1回、日本の経済状況や医療を取り巻く環境を踏まえて改定が行われます。
2024年は改定の年で、6月に診療報酬改定が行われます。つまり医療行為の公定価格(点数)が変わり、病院での受付料、検査代や調剤薬局での代金も変わります。
ちなみに薬の価格(薬価)は2042年4月に変わります。
6月以降で病院やクリニック、歯医者さん、調剤薬局で支払う自己負担分の代金が変わります。領収証とともに、明細書がもらえます。明細書に各医療行為の点数が記載されていています。ご確認いただき、わからないところは聞くとよいです。
薬剤師の被災地支援
令和6年1月1日に能登半島地震が発生いたしました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
薬剤師の被災地支援として2つトピックスを上げます。一つは支援をするにあたっての訓練について。もう一つはモバイルファーマシーについてです。
災害時医療救護所訓練(相模原市)
医療救護所とは、相模原市が決めた市内30か所(拠点救護所を含む)に災害時に設置される救護所のことです。相模原市医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、保健師、柔道整復師会の担当の先生方が参集して救護活動を行います。相模原市の職員も、情報連絡スタッフ、事務スタッフとして参集することになっています。ここでは、市内で災害が発生した場合、被災し怪我をした患者さんに応急処置を施し急場をしのぐ一時的な医療施設で、市内の小学校が主なる場所です。ここでは、来た患者さんを傷病の状態に応じて、医師が患者さんを重症、中等症、軽傷に振り分けます。 振り分けられた患者さんは、救護所内の重症エリア、中等症エリア、軽傷エリアに行き処置を受けます。このための訓練に薬剤師会は毎年参加しています。(相模原市薬剤師会HPより抜粋)
こういった訓練があるからこそ災害時や、大事故の時において、スムーズに活動や支援ができるんだなと感じています。小学校の時に避難訓練がありましたが、その時ふざけてしまい、こっぴどく先生に怒られた記憶がよみがえります。本当に訓練や備えというのは大事だなと思います。
モバイルファーマシー(災害時対策医薬品供給車両)
モバイルファーマシーは東日本大震災の教訓から開発された特殊車両で、大規模災害等でライフラインが喪失した場合でも自立して調剤業務と医薬品供給が行える車両です。横浜薬科大学、横浜市薬剤師会、横浜市の3者で共同運用しており、全国で唯一2台所有しています。
モバイルファーマシーの装備としましては、通常の薬局にある設備(錠剤棚や分包機、水剤台や薬品保冷庫等)以外にも、発電機や注射剤を作るクリーンベンチ、衛星電話、簡易ベッド等も搭載しています。
大規模災害等発生時にはモバイルファーマシーで被災地へ赴き、災害救助法が適用された地域で支援活動を行います。(横浜市薬剤師会HPより抜粋)
処方箋の使用期限について
処方箋に使用期間があるのをご存知でしょうか?
発行日を含め4日以内です。
処方箋とは、医師が病気の治療に必要なお薬をだすため、薬の種類や服用量、服用方法を記載した書類です。その処方箋に基づき、薬剤師が処方箋の内容が適正であるか確認し、調剤を行います。処方箋に記載される情報は患者の名前、生年月日の他、保険証番号や医療機関の名称や住所も必要となります。
そのなかで処方箋交付年月日や処方箋の使用期間の記載する欄があります。使用期間については「特に記載のある場合を除き、交付の日を含めて、4日以内に保険薬局に提出すること。」となっています。
処方箋の使用期間は発行日を含めて4日以内(日曜日や祝日を含む)です。使用期間が過ぎると薬局では受付できなくなり、医療機関で再発行をしてもらうことになります。まだ残りの薬があるから薬局へは来週に行こうではなく、処方箋を受け取ったら、早めに薬局に持っていきましょう。
・発行日を含め4日以内
・連休は注意が必要
・やむを得ない場合、医師にあらかじめお伝えして延長は可能
・薬局から医療機関へ問い合わせて延長は不可
薬の保管について
薬の保管には、「温度」「湿度」「光」に注意が必要です。
温度
薬によって保管方法は変わりますが、特に指示のない場合は室温で保管します。
「室温」というのは、厚生労働省が出している日本薬局方で1~30℃と定義されています。
湿度
粉薬や顆粒の薬は、湿気の影響を受けやすく特に梅雨時期の湿度の高い時期には
対策としてチャック付きのビニール袋や缶などに乾燥剤と一緒に入れ保管しましょう。
光によって薬の成分の分解が進んでしまい、効果が得られないこともあります。
冷所保存という指示のあるものは冷蔵庫に保管しましょう。
子供の前で薬を飲み、そのままテーブルに置いておくと、
薬は子供の手の届かないところへの保管してください。
区別して保管
間違って飲まないように薬は、殺虫剤や農薬などと一緒に保管しないようにしてください。