薬剤師 澤田さんのコラム
東林第2地区内の薬局で活躍中の薬剤師 澤田氏によるコラムです。薬の事や薬剤師、地域との関わりなど様々な事を話していただきます。
2025-01-14

インフルエンザ治療薬について
2025-01-14
チェック重要
インフルエンザ治療薬
インフルエンザ治療薬は、体の中のウイルスを退治する薬では無く、ウイルスの増殖を抑える薬です。そのため、ウイルスが十分に増えていない、「発症から48時間以内」に使用する必要があります。インフルエンザが疑われる症状が出た際には、医療機関を受診して検査をしてもらいましょう。ただ、感染初期(発熱後6時間以内)にはウイルスが少なすぎるために検査で陰性と判定されることが多くあります。
インフルエンザ治療薬の服用を発症から48時間以内に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量も減少します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。
インフルエンザに対する治療薬としては、下記の薬があります。
一般名(商品名) | 剤形 | 投与回数 | ジェネリック、その他 |
オセルタミビルリン酸塩(タミフル®等) | カプセル 粉 | 1日2回、5日間 | ジェネリックあり |
ザナミビル水和物(リレンザ®) | 吸入 | 1日2回、5日間 | ジェネリックなし |
ペラミビル水和物(ラピアクタ®) | 点滴 | 単回投与 | ジェネリックなし |
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル®) | 吸入 | 単回投与 | ジェネリックなし |
バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ®) | 錠剤 | 単回投与 | ジェネリックなし |
アマンタジン塩酸塩(シンメトレル®等) | 錠剤 | 1日1~2回、 5日程度 | ジェネリックあり A型にのみ有効 |
※使用する際には用法、用量、期間(服用する日数)を守ることが重要です。
その他、インフルエンザ初期に効果のある、漢方薬の麻黄湯や解熱鎮痛薬を組み合わせることもあります。市販薬で対応する場合は必ず薬剤師にご相談ください。
インフルエンザの予防
・ワクチンの接種
インフルエンザワクチンの接種により、感染する可能性を低くさせる、感染した際に重症化する割合も低くできます。ワクチンの効果が現れるまでは接種から2週間程度かかりますので、早めの摂取するようにしましょう。
・手洗い、うがい、マスクの着用
うがい、手洗い、またマスクの着用はインフルエンザの予防だけでなく、他のウイルスや細菌からの感染予防の基本となります。日々心掛けましょう。
参考:厚生労働省 令和6年度インフルエンザQ&A
北海道薬剤師会 インフルエンザウイルス感染症の予防と治療に関して

オーソライズド・ジェネリックについて
2024-12-12
注目チェック
オーソライズド・ジェネリックについて
前回10月から始まっている選定療養について書かせていただきました。
調剤薬局においてお薬は先発品にしますか?後発品(ジェネリック)にしますか?先発品だと自己負担分が発生しますよと言われた方もいるのではないでしょうか?
「ジェネリックに変えても効果は同じよね」と変更する方、「以前ジェネリックで合わなかったのでこのまま先発がいいわ」と継続の方と様々です。
添加物とか作り方が違うからジェネリックは嫌だという方もいますが、そのような方へお勧めなのが、オーソライズド・ジェネリック(AG)です。
ジェネリックは「有効成分が先発品と同じ」薬ですが、その中でもオーソライズド・ジェネリックは先発品メーカーから「許諾を受けたジェネリック」という意味です。英語でAuthorized Genericと書きます。略して「エージー(AG)」とも呼ばれています。
オーソライズド=許諾を受けた
AGは、先発品メーカーから許諾を得て後発品メーカーが製造した、先発医薬品と原薬、添加物や製造方法などが同一の医薬品のことをいいます。
開発にかかる費用や時間が削減できるため、ジェネリックと同じく薬剤費の負担を下げられるのが大きな特徴です。
細かいところですが製造されるプロセスの違いでおもに3種類に分けられます。
有効成分 | 原薬 | 添加物 | 製法 | 製造工場 | 製造技術 | |
AG1 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 |
AG2 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 | 異なる | 異なる |
AG3 | 同一 | 異なる | 同一 | 同一 | 異なる | 異なる |
一般的なジェネリック | 同一 | 異なることがある | 異なることがある | 異なることがある | 異なることがある | 異なることがある |
全てのお薬においてAGはあるわけではなく、また薬局や病院のお薬の採用や在庫によりおいていない場合もありますが、ジェネリックに変更時にAGはありますか?と尋ねてみるとよいのではないでしょうか。

選定療養制度について
2024-10-23
選定療養制度について
2024年10月から一部の薬で料金が加算される仕組みが始まっています。
選定療養制度とは
費用を追加で自己負担することで受けられる医療制度の事です。
例えば病院ですと、入院時の個室などでの差額ベッド代や大きい病院を紹介状なしで受診したときに費用などです。
この10月からは一部の先発医薬品(長期収載品)もこちらの制度が適応となります。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)があるにもかかわらず先発医薬品(長期収載品)を希望した場合、後発品との差額の1/4が保険適用されず、「特別の料金」として実費で支払う必要があります。こちらは子供医療や公費でお支払いが無い方にもご負担が発生します。
なぜ高くなる?
医療費が右肩上がりとなっているため、後発医薬品を推奨し、医療費を削減して、
国民皆保険を継続させるためです。
これを機に後発医薬品への積極的な変更をしてみてはいかがでしょうか?
対象外もあり
・医師の指示(医療上必要な場合)
・薬剤師が治療上必要と判断した場合
・後発医薬品が品薄で先発品しか調剤できない場合
(ここ数年の医薬品の流通不安定の状況で先発品しかご用意できない場合も多くあり、大変ご迷惑をおかけしています)
後発医薬品についてのお悩みやご不明点があれば、かかりつけ薬局にご相談ください。

学校薬剤師の仕事
2024-09-06
学校薬剤師の仕事
先日、学校薬剤師で担当している中学校のプール検査に行ってきました。
ちょうど雨と雨の間の曇りの時間帯でカッパを着ずに検査できたのですが、
雨も続いた影響でプールが濁っていました。
プールが濁っていると、濁度、細菌、大腸菌などの項目でひっかかりそうだと思いましたが、検査結果は問題なく一安心しました。
ちょうど雨と雨の間の曇りの時間帯でカッパを着ずに検査できたのですが、
雨も続いた影響でプールが濁っていました。
プールが濁っていると、濁度、細菌、大腸菌などの項目でひっかかりそうだと思いましたが、検査結果は問題なく一安心しました。
なかなか学校薬剤師の業務を目にすることはないですが、児童・生徒がより良い環境で学校生活が送れるよう対応しております。
また地域の公民館や自治会等でのお薬出前講座のようなことも学校で行うことがあります。
薬物乱用防止教室や薬の適正安全教室と言われるものです。通常は児童・生徒向けですが、
PTA向けの講義や教員向けのお薬の使用方法などの講義も行います。(例えばアナフィラキシー症状に使用するエピペン注射の使用方法)
地域の学校に係っている方で上記のような教室・講義を聞いてみたい方がおりましたら、
学校薬剤師に依頼してみてください。
また地域の公民館や自治会等でのお薬出前講座のようなことも学校で行うことがあります。
薬物乱用防止教室や薬の適正安全教室と言われるものです。通常は児童・生徒向けですが、
PTA向けの講義や教員向けのお薬の使用方法などの講義も行います。(例えばアナフィラキシー症状に使用するエピペン注射の使用方法)
地域の学校に係っている方で上記のような教室・講義を聞いてみたい方がおりましたら、
学校薬剤師に依頼してみてください。
相模原市の小中学校、子ども園には学校薬剤師が配置されており、地域の薬局の薬剤師が担当しています。気になる方は直接学校や相模原市薬剤師会に確認してみてください。また普段利用している薬局の薬剤師が近くの学校薬剤師かもしれません。聞いてみると良いかもしれません。
