薬剤師 澤田さんのコラム
お薬手帳
どんなお薬を、いつ、どこで処方してもらったかを記録しておくための手帳です。医師、歯科医師、薬剤師はこのお薬手帳を確認し、薬の重複や、薬の副作用、相互作用などを発見することができます。
「いつも同じ病院、同じ薬局に行っているからなくてもいいわ」ではなく、
急病時や災害時にも役に立ちます。特に常用薬がある方は、お薬手帳を作成し、医療機関に行くときは持参をしてください。欲を言えば、常に携帯しておくことをお勧めします。最近では、電子お薬手帳の普及もしていますが、すぐに確認できるような設定にしておくと良いです。
またOTC医薬品の購入時やワクチンの集団接種などの際にも持参すると薬の飲み合わせ等が確認できます。
記載に関しては、処方された医薬品を薬局でお薬手帳にシールの貼付をしますが、それ以外にOTC医薬品やサプリメントの記録、副作用の記録、アレルギーの記録をご自身でしておきましょう。
医師や薬剤師に伝えたいことなど、メモ書きも残して良いです。
お薬のことの記載だけではなく、健康手帳として利用していくのが良いと思います。
まだお薬手帳がない方はかかりつけ薬局でもらえますので、ご相談ください。
相模原市薬剤師会のホームページにお薬手帳に関することが詳しく載っています。Q&Aもありますので、参考としてください。


セルフケア・セルフメディケーション
皆さん、病院に行くほどでもないし、薬を飲むほどでもないなというちょっとした体調不良のときはどうしていますか?
今日は早めに寝ようとか、寒いから湯船にゆっくりつかろう、おなかの調子が悪いから油っこいものを控えて、消化の良いものを食べようなどおこなってのではないでしょうか。
このように自分のできる範囲で自分の面倒をみることがセルフケアです。セルフケアの基本は、①十分な休養を取ること。②適切な栄養を摂ること。③適度に運動をすることです。
体重計や血圧計を用いて自分自身の体の状態を数値で把握する事、セルフマッサージをする事、最近ではスパに行って、サウナに入り体の血液循環を促進する事もセルフケアにあたると思います。
普段から十分睡眠をとり、食事内容に気をつけ、適度な運動を行うことが基本であり、自分の健康に責任を持とうとする意識・自覚が必要です。普段からセルフケア、つまり養生を行う事で自分の体を把握することにつながり、ちょっとした体調不良にもすぐに気づけます。
それでも風邪をひいたり、けがをする事はあります。そんな時はOTC医薬品を上手に利用し、自分で手当てするセルフメディケーションが役立ちます。
前回のコラムでセルフメディケーションについて少しふれました。自身の健康に責任を持ち軽度な体の不調は自分で手当てすることでしたね。このセルフメディケーションでも自分の体を把握する事が重要です。自分の健康状態を確認し、健康管理の意識を高めましょう。
ポイントとして
①病気や薬について正しい知識をつけることが必要
⇒軽度な不調であっても、どのOTC医薬品を使えばいいかなど知識は必要となります。
②かかりつけ薬剤師をもつ
⇒症状や医薬品についてわからない場合は、薬剤師がサポートします。OTC医薬品で対応するか、受診するか迷う場合は薬剤師に相談してみてください。
③OTC医薬品を使用する場合は用法用量を守る
④セルフメディケーションで対応できないときは、病院へ受診する
またOTC医薬品を購入する場合や相談する場合は、普段飲んでいる薬があるなら、お薬手帳を持参するようにしましょう。OTC医薬品でも飲み合わせが良くない薬や病態があります。

薬について れもん薬局 澤田 寛之氏 (2)
OTC医薬品分類 | 対応する専門家 | 販売者から お客様への説明 | お客様からの 相談への対応 | インターネット、郵便などでの販売 | |
要指導医薬品 | 薬剤師 | 書面での情報提供(義務) | 義務 | 不可 | |
一般用医薬品 | 第1類医薬品 | 可 | |||
第2類医薬品 | 薬剤師または 登録販売者 | 努力義務 | |||
第3類医薬品 | 法律上の規定なし |

薬について れもん薬局 澤田 寛之氏 (1)
医薬品の定義は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」という長い名前の法律によって記されています。
1.日本薬局方(にほんやっきょくほう)※に収められているもの
※主要な医薬品の規格を統一して品質を保証するための公定書
2.人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているものであって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く)
3.人または動物の身体構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされているものであって、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く)
定義は「へ~っ」と思っていただければいいかと思います。
医療用医薬品 | 一般用医薬品 | |
定義 | 医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品をいう。 | 医療用医薬品として取り扱われる医薬品以外の医薬品を言う。 すなわち、一般の人が薬局等で購入し、自らの判断で使用する医薬品であって、通常、安全性が確保できる成分の配合によるものが多い。 |

【薬局】について
薬局 | 調剤が出来る、OTC(※)販売もできる |
調剤薬局 | 調剤ができる薬局の通称 |
保険薬局 | 保健調剤ができる薬局 |
ドラッグストア=薬店 | 薬店 調剤ができない、OTC販売は出来る(調剤併設型のドラッグストアもある) |
関連法規 | 許可・指定の権限 | 所管 | |
薬局 | 薬事法 | 都道府県知事 | 都道府県、保健所 |
保健薬局 | 健康保険法 | 厚生労働大臣 | 厚生労働省、地方社会保険事務所 |
